助け合いをかたちに


中学校門からステラ館に続く坂道、青々と茂る桜のアーチの中に入ると蝉時雨に包まれます。ステラ館玄関には中学2年生が育てている稲がバケツの水田の中ですくすくと生長しています。見上げると青空。夏の風物が増えていく朝、気温は27℃。

本日中学校は校内大会です。3年生の体育委員長と副委員長が中心となって対戦表やコート割り、表彰状作成にいたるまで計画・準備・運営を進めていきます。

中学3年生 租税教室

その3年生が7月5日(木曜)に総合学習の一環として行ったのが『租税教室』です。税理士の杉本様をお招きして講話をしていただきました。貴重な機会をありがとうございました。

まずは野口先生(地歴公民科)による全体説明、初田先生(地歴公民科)による税の基礎知識講座です。

「世界には税金がない国がある。」「カエル税とムカデ税、実際にあったのはカエル税である。」

豆知識を交えながら知っておきたい税金の知識を再確認していきました。

いよいよ杉本様の講話です。

「たとえば消防車は火災の時に必要なものですが、高額で個人でなかなか買えるものではないですよね。でも、皆が少しずつお金を出してくれれば買うことができます。皆が必要なものを皆で用意をしていくのが税金のイメージです。」

私たちと税金をぐっと近くに引き寄せる税についての考え方から、『税の種類』や『生徒1人当たりの年間教育費としてあてられる税金の額』といった税金と私たちの関わり、『財政』や『外国との違い』など専門的なお話まで多岐にわたりました。

「皆のための税金です。1人1人が未来のために考えることがとても大切ですね。」

お話の後には質疑応答の時間をいただきました。

「税金がなかったらどうなると考えられますか。」

「外国と日本の税金の違いについて話してくださいましたが、高齢者の方への税金の使われ方が日本と外国では具体的にどう違うのかもっと知りたいです。」

関心を持ち考えたからこそ疑問が生まれます。

「税金のかかり方や使われ方は国によって違いますが、それだけでなく国ごとの治安や経済状況も影響があります。様々なバランスの中に税金があることも知っておいてくださいね。」

1つ1つ質問に丁寧に答えてくださいました。

最後に『お金の重み』を実感するため、1億円や1千万円と同じ重さを体験しました。「驚くほど重くて、渡された瞬間身体が引っ張られました。」と驚く生徒も多くいました。

講話後は全員で税についての作文を書きました。

「私は大きな怪我をしたことがあります。その時にかかった医療費も税金が助けてくれていたのだと考えると『助け合い』のために税金があるんだなと実感しました。」

生徒が書いた文章の一節です。学んだことや学んだことにまつわる経験を文字におこしていきました。

We all want to help one another. Human beings are like that. We want to live by each other’s happiness, not by each other’s misery.
(私たちは皆、互いに助け合いたいと思っている。人間とはそういうものだ。相手の不幸ではなく、お互いの幸福によって生きたいのだ。)

これは喜劇王チャップリンの言葉です。お互いを思いやる心が形になったものを学んだ1日でした。

※ 写真は租税教室の様子