未来へ触れる


9月最後の朝、気温は20℃。青空がのぞく爽やかな1日の始まりです。

今週の中学校

昨日は『中学3年生保護者会』を実施いたしました。お忙しい中、足をお運びいただきありがとうございました。

26日(水曜)から始まった『第3回定期考査』ですが、中学生は昨日までとなり本日は各学年で総合学習を行います。高校生は本日までが定期考査期間です。

その定期考査に向けて中学校で行っていた『放課後自学会』の一幕。

窓から涼風とともに1匹のトンボが入り込んできました。静寂の教室の中で、すいすい飛びまわるトンボが羽根を休めたのは生徒の手の甲。じばらく気がつくことなくペンを走らせていた生徒が目線を上げると驚いたように目を開き、微笑んで再び学習に戻りました。

『とどまれば あたりにふゆる 蜻蛉(とんぼ)」かな』(中村 汀女)

深まる秋の気配。その秋本番となる10月には中学校の行事が目白押しです。

中学2年生 職場体験学習に向けて

その1つ。今回は中学2年生の『職場体験学習』についてご紹介します。10月10日(水曜)~12日(金曜)の本番に向けて1学期から準備を進めてきた生徒の皆さん。何度も何度も納得いくまで書き直した『履歴書』は夏休み中に事業所様へお届けしています。

2学期はいよいよ『電話でのご挨拶』で事業所の方と直接お話しさせていただいています。事業所の皆様におかれましてはお忙しい中、お時間をいただき本当にありがとうございます。

1学期には電話のマナーや敬語の使い方の基本をペア学習で繰り返してきました。実際に電話をする前に行ったのはお世話になる各事業所様の『調べ学習』です。

ICT教室を活用し、周辺地図から事業所様の会社概要、具体的な業務内容まで深く掘り下げながら調べていきます。

『職場体験学習』3日間の自分が少しずつ明確になっていき、事前に聞いておきたいことが浮かび上がっていきます。愛用のハンドブックに情報をどんどん書き込み、オリジナルハンドブックを作り上げていきました。

そして再び電話練習。そして実践です。休み時間を利用して電話をかけていきます。ハンドブックと筆記用具を片手に、慎重に番号を押します。

「こんにちは。海星中学校の○○と申します。職場体験学習についてお電話をさせていただいたのですが、担当の○○様はいらっしゃいますか。」

「…本日は貴重なお時間をいただきありがとうございまいた。当日もどうぞよろしくお願いします。」

ゆっくりと受話器を置き、息をつきます。

「練習と違って、とても緊張しました。何度も練習していて良かったです。それでも敬語が上手に使えない場所があったので、本番までにもっと自然に敬語が使えるようにしたいです。」

満足半分、反省半分。次への課題が見つかった数分間。話を聞きながらメモをしたことを同じ事業所の仲間に伝えます。

“The future belongs to those who prepare for it.”(未来は備える者にある。)

アメリカのことわざです。電話口でまず社会に触れた生徒の皆さん。定期考査、部活動など学校生活の様々な場で備えの大切さを学んでいますが、その学びは延長線上にある『未来』へ向けての学びに繋がっていくのだと実感できる経験です。

まだまだ少し遠くに見えるかもしれない『働く』という未来への道。備えて、触れる経験は未来への道をほんの少し明るくしてくれます。

※ 写真は中学2年生総合学習の様子。