自然が教えてくれるもの


□第131回 九州大会長崎大会
 9月23日(日曜) 第2試合 12時00分~ (予定)
 二回戦  海星高校-佐世保北高校

 夕には虫の涼やかな鳴き声が聞こえ、朝には少しずつ肌寒さを感じるようになりました。秋の足音が聞こえます。
 

 さて、9月18日、19日の2日間、中学生は国立諫早青少年自然の家にて錬成会を行いました。
 
「集団生活を通して、お互いの友情や信頼関係を深め、望ましい人間関係と連帯感を築き、今後の学園生活に役立てる.。」

 これがこの錬成会の目的です。
 
 一日目は入所式の後、沢登りを行いました。 
 
 さわやかな風や穏やかな木漏れ日の中、生徒たちはクラスメイトや上級生、下級生とともに沢を登っていきます。
 渡りにくい場所や、登りにくい岩場を登っていく中でで生徒たちには自然と生まれていたものがありました。 
 
 それは「気配り」と「協力」です。
  
 ちらりちらりと後ろを振り返りながら歩調を合わせながら登る生徒。
 声をかけ、手を貸しながら仲間とともに登る生徒。
 
 登りきった生徒たちの顔には心地よい疲労とともに笑顔があふれていました。

 二日目は野外炊飯を行いました。
 ここでも自然と生徒たちには「協力」する態度が生まれていました。


 料理が得意な生徒は他の生徒に野菜の切り方、炒め方のレクチャーをします。聞き手は真剣に耳を傾けていました。
 率先して自分ができることを探し、薪を切る生徒がいました。
 なかなか火がつかない生徒たちはみんなで知恵を出し合い、効率的な火の付け方を模索します。

 最初は教師に助けを求めていた生徒たちも自然と仲間たちだけで料理を作り出していました。
 
 さらに、この野外炊飯の中でよく耳にした言葉があります。

 それは「ありがとう。」です。

 「感謝」の気持ちを自然と声に乗せる生徒たちがいました。
 
 さらにその「感謝」の気持ちは仲間たちに向けられるだけではありませんでした。
 
 ある生徒が必死に鉄板を磨いていました。真っ黒だった、その鉄板は見事に輝きを取り戻します。
 


 自然の家職員の方にも思わず笑みがこぼれるほどの磨きようでした。
 
   ある生徒は食器の洗い場にあったごみだけでなく、木くずや葉っぱも丁寧に拾い上げていました。

 そこには使わせてもらった物への、場所への「感謝」があふれていました。

「賢くなろうとして本や黒板に教えを乞うてはならない。
 天と地と林と木の葉とは、本当に子どもらを賢くするであろう。」

 教育思想家であるヤン・アモス・コメニウスの言葉です。今回、自然の中で学んだ「気配り」「協力」「感謝」という、この態度はまさしく目的とした「望ましい人間関係と連帯感」を築いてくれるものと思います。

 退所式で最後に自然の家の職員の方がおっしゃった言葉があります。

「大事なのはここで学んだものをもとにどう変わるかだと思います。行動、友人関係など、どう良く変わっていくのか。それを楽しみにしています。」

 自然の家で学んだこと大きなことを日々の生活でも生かしていけるよう、さあ、今日も一緒に取り組んでいきましょう。 

 なお、今回お世話になった国立諫早少年自然の家の職員の方々、一泊二日の間、本当にありがとうございました。

                                                                    担当Y
 ※ 写真は18日、19日の錬成会の様子