郷土に戻ったエースと対戦


雨の朝になりました。気温は19℃。梅雨時分は真夏の気配。

 

薫風(くんぷう)とは南から吹く風をいいますが、風に香りがあるのかは分かりません古来日本人は夏の到来を、この薫風から感じとりました。

真夏を思わせるもの。古今東西、様々なものがあります。その1つは、何と言っても甲子園。

白球を追い、純白のユニフォームがみるみるうちに土まみれになり、グラウンド内外のチームメイトとともに目の前の1つの勝利を目指す。スタンドには声をからす応援とブラスバンドの音。

郷土に戻ったエースと対戦

来週21日(金曜)から開幕予定の『第66回NHK杯長崎県高等学校野球大会・長崎地区予選』。

先日抽選会が行われ組み合わせが決まりました。本校は1回戦、2日目の22日(土曜)が初戦予定です。

第66回NHK杯長崎県高等学校野球大会

■2回戦 海星ー対馬
※5月22日(土)14時30分~予定

 

「相手校の監督さんが抽選くじを引き、今回シードの本校と対戦になりました。」と、抽選に出向いた濱崎部長が少々苦笑いをしながら教えてくれました。

 

苦笑いの理由

何と2回戦相手校監督は『第88回春甲子園大会』で2枚看板エースとして活躍した全国ベスト8・海星野球部 土谷投手率いる対馬高校です。

 

※土谷選手(当時)写真左前から2番目を行進

 

当時野球部は右の土谷投手・左の春田投手を擁して春選抜甲子園大会に臨みました。現在夏は18回の甲子園出場を果たしてる本校野球部ですが、春の選抜甲子園大会は当時15年ぶり5回目の出場でした。

■1回戦  海星 3-2 長 田 (兵庫県)※21世紀枠
■2回戦  海星 2-1 敦賀気比(福井県)
■準々決勝 海星 8-17 高松商業(香川県) 

 

ベスト8。甲子園大会では健闘しました。

 

そして土谷投手ら先輩方の活躍に奮起し、後輩達が県大会で勝ち取り挑んだ夏の101回甲子園大会。3回戦で八戸学院光星に6-7でサヨナラ負けするも、同年・茨城国体で夏甲子園優勝校・履正社(準決勝 海星 6-2 履正社)に勝利し決勝進出。

結果、国体準優勝(決勝 海星 2-10 関東第一)で終えるというあのサッシーこと酒井投手(ヤクルトスワローズ)を擁した第31回国民体育大会(決勝 海星 1-2 PL学園)以来の、好成績を残しました。

 

まさにその礎を築いたチームの一角を担った選手が、今度は監督となって母校・海星と対戦します。

※第88回春甲子園大会出場・野球部

 

対戦する本校野球部。

代表して野球部三年生に昼休みに集まってもらい、話を聞きました。

 

「甲子園の雰囲気を象徴する偉大な先輩率いるチームと対戦できる事で、ワクワクしています。」

「三年生だけで投手は5人います。対戦の中で私達は様々なことを学びたいです。」

 

 

キャプテンは「チームを牽引することは本当に簡単ではありません。悩みも多いですが、今はそれを『やり甲斐』と感じられるようになってきました。最後の夏に向けて今大会に挑みます。」

 

 

三年生をはじめ、野球部の皆さんは偉大な先輩との対戦に待ちきれない様子でした。

 

ブログ担当者の一人は「夏大会後引退し、難関大学進学に向けてノート添削をしながら彼とともに過ごした夏を思い出します。粘り強く希望大学に向けて学習に取り組んでいた土谷君の姿は大変印象的です。彼が残してくれた受験対策ノートは、今も進路室で多くの後輩諸君が参考にしています。」と、感慨深げでした。

 

 

加藤監督は「グラウンドでの再会、楽しみです。」と、にこやかに話します。

 

それぞれが心に秘めた、たった1つの目標。

真剣勝負だからこそ公式戦は白熱し、私達を惹きつけます。夏の香り漂う高校野球。

 

皆さんの健闘を祈らずにはいられません。

 

※写真は第88回春選抜甲子園全国ベスト8・野球部メンバー。