たった1人、たった3人

高総体が終わり、「夏」が始まりました。

主将として、3年生でたった1人のレギュラーとして田中陸翔は高総体を終えました。

団体戦を終えた後、本人は「楽しむ気持ち半分・緊張半分で臨んだ」と話していました。

これから勝負する選手へ「楽しんでおいで」なんて言葉をかけることは出来ません。

土壇場の重圧の中で最高のショットを成功させる。このスリルは何物にもかえがたいと思うからです。

プレッシャーがかかるような環境で試合ができるというのは、選手にとっては非常に充実して幸せなことなのではないかなと思っています。

そういうものが逆になくなってしまうほうが、選手として問題があるというふうに思います。

個人シングルス準決勝敗退後には、ショックを受けている本人の姿を見て、叱りました。

そんなに簡単に結果が出ると思ったの?これまでの3年生がそんな簡単に結果を出してきたの?

まだダブルスがある状況、後輩と組んでこれからインターハイをかけた戦いを控えている立場なのか?

ダブルス準決勝でも上手くいかないことが多くありました。

しかし、5-7の15-30で、リターンエースを決めた。

5-7のデュースでも、ポーチを決めた。

追い込まれた場面でも、表情を崩さず、自ら仕掛けていくことが出来ました。

先輩に恵まれ、後輩に支えられ、今の本人があります。

そして、いつでも隣には同級生の2人の姿がありました。

たった1人ではなく、「たった」3人でした。

岩下・中村の2人がいなければ、最後までやり抜くことは出来なかったし、インターハイにつなげることも出来なかったと思います。

人は目に見えないものに心の支えを見つけた時、たった一人でも立っていられます。

たった1人で立ち続けることが出来たのには、見えない支えがありました。

高総体を最後に3年生の2人は引退します。

隣にいなくても、見えなくても支えられていることに変わりはありません。

主将としての最後の「夏」が始まりました。

明日も応援よろしくお願いします!!

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